Category Archives: インスタレーション

都市の現象学―いったい何が私たちの未来をこれほど不確かで、魅力あるものにしているのか?

2024年2月23日ー3月3日
Fukuoka Asian Art Museum Residence Program

レジデンスの成果は福岡アジア美術館とACF Galleryで2つのインスタレーションとして発表された。

ACF Gallery: In Search of Utopia (-et in Arcadia ego)
福岡アジア美術館: Study for a Drawing Room (for the Phantom of FAAM)

写真: 川崎 一徳

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Circle of Everyday Life

炭、モーター、紐、コンクリート、金属、羽、サイズ可変

Photo: Shintaro Yamanaka (Qsyum!)

床に撒かれた炭の粉塵の上に描かれたジグザグのラインは、東西ベルリンの壁の境界線である。小さなモーターで回転する羽が、その境界線を越えて炭の粉塵を掃きとってゆく。それによって現れる円環は、ベルリンの市街電車の路線と重なる。環状線である市街電車は、1961年から1989年の間も東西の国境をまたいで、運行されていた。

展示: Waitingroom, 東京 (JP)

Wandermüde

金属、鏡、紐、プラスティック、紙、木、LEDライト、ビデオ (HD, 12´40 )、
写真 (Staatsarchiv Hamburg 720-1 151-81= 17 131)、クレート: 205 x 146 x 166 cm

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Photo: Hayo Heye

Heine-Hamburgkiste

Staatsarchiv Hamburg
720-1 151-81= 17 131

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Photo: Hayo Heye

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Photo: Hayo Heye

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Heine-Hamburgkiste
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1891年に皇后シシィの依頼で作られたハインリッヒ・ハイネの大理石の彫像(2250kg)は、時代に翻弄され、ヨーロッパ中を彷徨うことになった。ローマ、ギリシャのコルフ島、ハンブルク、そしてナチスからの破壊を逃れるために、木箱に隠されマルセイユを経由してトゥーロンへ運ばれた。そして、そこで1948年まで行方不明になる。
この作品「Wandermüde」は、ハイネの彫像が23年間閉じ込められていたのと同じ大きさのクレートを中心とした、ミクストメディアのインスタレーションである。ビデオは、現在(2014)トゥーロンのボタニックガーデンに置かれている彫像の様子と、彫像の辿った旅路の過程が映し出される。

展示: Galerie im Marstall アーレンスブルク (DE)
図録: カタログ “DELIKATELINIEN” / カタログ “Von Wörtern und Räumen”

Optiker

金属、プラスティック、鏡、紙、ガラス、木、モーター、LEDライト、サイズ可変

展示空間の中央付近には、様々な大きさ、素材、色の球体でできた雲が浮かんでいる。天井から見えない糸で吊るされている鉛、ガラス、プラスティック、紙などの200個余の球体には、サーチライトのように左右に動くスポットライトから光が当てられる。そよ風で揺れる球体の一群は、ランダムに浮かんでいるように見えるが、ライトに照らされると、その影は「Die Neige des Menschen(人間の残滓)」という一文を壁に映し出す。(引用元: 眼鏡店、一方通行路、ヴァルター・ベンヤミン)

ドキュメント “Optiker” 2014、福岡市美術館、1′ 09

展覧会: 福岡市美術館 (JP)
図録: カタログ “IN SEARCH OF CRITICAL IMAGINATION”

Why am I here?

木、金属、プロジェクター、スポットライト、ビデオ (HD、8’06 ループ)

Photo: Ken Kato

作家の分身でもあるガボンのムベテ族の呪術人形を使って、川辺はインスタレーション「Why am I here?」で存在の定義を模索している。この人形は、他の国の呪術人形と一緒に、それ本来の機能や意味から切り離された状態で、「Harrys Hamburger Hafenbasar & Museum」という店に並んでいたのを川辺によって見つけられた。おそらくこの像は偶然に船でハンブルクに渡り、レーパーバーンの市場に「船乗りの宝」として上陸し、その文化的背景を剥ぎ取られたままそこに立っていたのではないかと思われる。川辺のインスタレーションの中では、その像は、さらに完全に異質な文脈の中に存在させられている。元々は呪術用であったが、恒久的に変化する時空の星座の中に置かれたその姿は、我々の居場所の安定性に今日でも疑問を投げかける。「Why am I here?」は、文化的な所属、国境を越えること、そしてもっと広げて言えば、空間と時間の座標がどのように我々のアイデンティティを決定するのに関係しているのかという実存的な問いを観るものに投げかけている。
テキスト: Magnus Pölcher
カタログ Fuzzy Dark Spot. Videokunst aus Hamburg. Deichtorhallen Hamburg / Sammlung Falckenberg より

Photo: Hayo Heye

展覧会: Shiseido Gallery 東京 (JP) / Ermekeilkaserne, Bonn (DE) / Deichtorhallen Sammlung Falckenberg Hamburg (DE) /Kunsthaus Hamburg (DE)
図録: 冊子 ” Shiseido Art Egg 05″ / カタログ “Observer Effect” / カタログ “Fuzzy Dark Spot. Videokunst aus Hamburg” / カタログ “INDEX 11”